日帰りのユル登山もいいけど、テント泊登山をして夕焼けや星空も見てみたい。
今年こそテント泊登山デビューしようと、大きなザック・しっかりした登山靴を揃え、テントはレンタルをして準備万端。
道具は揃ったけど、ソロ登山だし、体力不足と方向音痴が不安なので、なるべくハードルの低いテント泊登山のパターンを検討しました。
その結果「青苔荘とニュウ登山」の組み合わせで、初めてのテント泊&八ヶ岳に行ってきたのでレポートします。
これからテント泊を始めたい方の参考になればと思います。
この記事でわかること
- 初めてのテント泊に「青苔荘とニュウ登山」の組み合わせはおすすめ
- 青苔荘のテント場について
- 初テント泊で得た今後の課題(個人的な内容ですが)
この記事を書いている私は、 日帰り低山のゆる登山派ですが6年ほど経験あり。今年は念願のテント泊デビューを達成。
青苔荘のテント場
青苔荘(せいたいそう)は、北八ヶ岳にある白駒池のほとりにある、年間を通して営業している山小屋です。
駐車場横の登山口から歩いて15分という立地で、アクセスがとてもしやすい山小屋です。
山小屋までの道のりや周辺は、白駒池を一周する遊歩道が整備されていて、気軽に苔の森を歩いて楽しめます。
アクセス
白駒の池駐車場前にある登山口より、徒歩15分ほどで青苔荘へ到着します。
登山口まで
バスでのアプローチのほか、徒歩15分ほどの場所に大型駐車場があり、駐車場への道も舗装路のため、車でのアクセスが便利です。
公共交通機関の場合:
- JR中央線「茅野駅」からバス(麦草峠行き)に乗車し、「麦草峠」下車 徒歩30分
- JR長野新幹線「佐久平駅」からバス(麦草峠行き)に乗車し、「白駒池入口」下車
マイカー利用の場合:
- 白駒の池入り口有料駐車場を利用
八ヶ岳の中央部、国道299号線(メルヘン街道)沿い
- 満車で停められない場合は、「麦草峠駐車場」へ。
30台ほど駐車でき無料ですが、白駒池まで徒歩30分ほどかかります。
白駒の池入口駐車場について
項目 | 内容 |
駐車スペース | 180台 |
営業時間 | 4月下旬~11月11日 営業期間中は24時間駐車可能 |
利用料金 | 普通車:600円 二輪車:200円 中型車(マイクロバス):1,200円 大型車:1,800円 ※1泊する場合は2日分必要 |
トイレ | あり ※協力金50円 |
住所 | 長野県 南佐久郡 小海町 大字 千代里2090-2 |
駐車場と道を挟んで登山口があります。
登山口から青苔荘
白駒の池入口駐車場から約600m、徒歩15分ほどで到着。
ゆるやかな登りです。
入口からすぐに苔の森で雰囲気最高。
青苔荘が見えてきました。
テント場の料金
山小屋泊と同様、テント泊も予約制になっています。
アーリーチェックイン・レイトチェックアウト共に、追加料金で可能です。
項目 | 内容 |
基本料金 当日14:00~翌日9:00 | 大人 1,000円/1名 子供 850円/1名 |
オプション料金① 当日6:00~9:00迄に張る方 | 追加料金 大人 1000円 子供 850円 |
オプション料金② 当日9:00~13:00迄に張る方 | 追加料金 大人 800円 子供 650円 |
オプション料金③ レイトチェックアウト 最大延長: チェックアウト日12:00迄 | 追加料金 大人 800円 子供 650円 |
オプション料金④ 板場使用料金 | 500円 |
トイレ利用料金 | 初回のみ 200円 |
サービス
テント場のサービスのうち、筆者が利用したサービスをいくつかご紹介します。
テント場は板のプレートの場所もある
板場がいくつかあり、早い者勝ち(追加料金500円)で利用することができます。
私が行ったのは平日だったので、テント場はかなり空きスペースがありました。
雨が降ると水たまりになる場所もあるようだし、しっかり眠れるように、追加料金を払って板場をキープ。
板場の形状は微妙に違いがあります。
私が最初にテントを張ろうとした所は正方形でサイズが少し小さかったので、別の場所に移動しました。
山どうぐレンタル屋で借りた「カミナドーム1」。
初めての山岳テントでわくわくしながら張って気づきました....ペグを忘れたことに。
やらかしました。
樹林帯の中ということもあり風もなかったので、フライを木に括り付けて固定してヨシとしました。
レンタルしたカミナドームについてのレビューもあるので、よかったらこちらもチェックしてみてくださいね。
水場で飲用水が汲める
山小屋の外側の壁面に、蛇口が3つある水場がありました。
飲用水として利用できる水なので、ありがたいです。
クッカーなどの洗い物をすることは禁止なので、ご注意ください。
トイレが綺麗・お風呂はなし
ネットの情報で、とてつもなく綺麗なトイレだとありましたが、本当に驚きの綺麗さでした。
初回のみ有料ですが、その後は無料で利用できます。
青苔荘の周辺は散策路となっており、観光客がたくさんいるため、夕方まではトイレのシャッターが閉じられています。
テント場利用者がトイレに入りたい時は、山小屋のスタッフにお願いすると開けてもらえます。
夕方(確か18時)からは開いているので、いつでも利用可能でした。
お風呂は、テント泊の人は利用できませんでした。
夕食を申し込む
今年度から、テント泊限定で夕食の販売があるとのことで、食べてみることにしました。
メニューは、現在こちらの3品。全てきのこ汁付きです。
焼き肉丼:1,300円
焼き鳥丼:1,300円
カレーライス:1,200円
焼き肉丼を注文。
茶碗3杯分くらいありそうなダイナミックな量です。
頑張って食べたけど、お茶碗1杯くらい残してしまいました。
きのこ汁が絶品でした。
夕食を山小屋の前にある野外テーブルで済ませ、寝るまでの間は、テントでゴロゴロすることに。
来る途中で買った、紙パックの日本酒を飲みながら読書をして、早めに就寝。
ニュウ-中山周回コースの登山レポート
八ヶ岳と言えば、天狗岳や赤岳、蓼科山や編笠山など、「□□岳」「△△山」などのイメージでしたが、
ニュ、ニュウ? え?何?
みたいな感じで、ちょっとした展望スポットかな?くらいに思っていました。
でも調べてみるとなかなか景色がよさそう。
周回コースをとれば高見石小屋にも立ち寄れそうだし、歩行距離もちょうど良いかなと思い、ニュウ登山をすることに決定。
正直、5時間もあれば十分だと思っていました...。
朝食をとって出発準備
前日早めに就寝したけど、熟睡はできず寝坊しました。
テントの中から朝食の準備をして、急いで食べる。
今回は「肉骨茶(パクテー)」というレトルトを温めて、アルファ米にかけるだけの簡単メニュー。
結構な肉のボリュームでした。
荷物をどうするか
当初の予定では、青苔荘でメインのザックを預かってもらい、青苔荘からスタートするつもりでした。
アタックザックで歩いた後で、また青苔荘に立ち寄り、メインザックをピックアップする感じです。
しかし、山小屋のスタッフさんに確認したところ、預かりはしないとのこと。
その代わり、山小屋の正面入り口の横に置いておいてもよいですよと。
悩みました。
平日で人が少なく、私以外誰も置いている人はいない。
観光地なため、登山者以外の観光客もたくさん通りかかる。
ザックをはじめ、新品の持ち物が多い。
駐車場まで片道15分程度。
かなり悩んだ結果、いったん駐車場に戻って荷物を車に置いてくることにしました。
そのため、予定より往復40分くらいのロスに。
ん?車中泊でよかったのでは?
コース概要
白駒の池入口駐車場からスタートし、白駒荘、ニュウ、中山、高見石小屋とまわって白駒荘に戻り、もとの駐車場でゴールという周回ルートです。
時間 3:40(休憩含まず)
距離 7.7km
登り 474m
下り 456m
ヤマレコのルート標準タイムを見て、写真撮影をしながら歩いても、7時30分出発なら13~14時くらいには下山できるだろうと思っていました。
しかし実際に下山したのは16時過ぎで、8時間もかかる結果に...。
白駒の池入口駐車場からニュウへ
白駒池の周辺は、どこも苔がびっしりでフォトジェニック。
せっかくミラーレス一眼を持ってきたので、のんびり撮影しながら散策しました。
途中で白駒荘の前を通ります。
白駒池のまわりは木道が整備されていて歩きやすい。
今回のルートは道に迷うポイントはほぼなかったのですが、一カ所だけ道を間違えました。
池を半周したところ(分岐に注意の場所)で右に曲がらなければいけなかったのですが、分岐を見落としてしまいました。
通り越して白駒池を一周しそうになったのですが、途中で気づいて引き返すことに。
その分岐点は、こんな感じです。
大きく右後方に行く道があったのですが、見落として真っすぐ進んでしまいました。
道案内もあったけど、角度的に見えづらい。
まわりこんでみると、こんな案内が。
白駒池を時計回りに歩くと見やすいですが、逆回りする場合は要注意です。
白駒池から離れると木道がなくなり、登山道らしくなります。
前夜に雨が降ったからか、かなりぬかるんでいました。
登山靴じゃないと厳しいです。
ところどころロープが張ってあり、道迷いの心配もありません。
ずっと樹林帯の中を歩いていましたが、ニュウの山頂付近でようやく開けました。
山頂付近は少しだけ岩をよじ登る感じで、結構な高度感です。
にゅう。
よい眺め。
明太ツナパスタでお昼休憩。
ここまでは、楽しい登山でした。
中山展望台から高見石小屋を経て駐車場へ
お昼ご飯も食べたし、そろそろ出発しようとしたとき、もの凄く疲れていることに気づきました。
前日ギリギリまで仕事と登山準備で忙しく、強行スケジュールでの今回の登山。
荷物を車に置きに往復したこと、道を間違えて余分に歩いたことで、想像以上に体力と時間のロスをしていました。
ここで、予定ルートの変更も考えました。
今回は疲れすぎているから、このまま来た道を戻ろうか
周回せずにニュウからピストンして戻れば、かなり短縮になります。
いやいや、せっかく来たんだし。ブログも周回ルートで書きたいし。
同じルートを戻るのはつまらないと感じたことや、高見石小屋も覗いてみたいという気持ちも働き、先へ進むことにしました。
この「せっかく来たんだし...」って、遭難のフラグとしてはトップクラスのワードなのに、自分もこんな思考になるなんて思ってもみませんでした。
ニュウを通過してからは、高度のせいか頭も痛くなってきて、しんどい記憶しかないです。
自然あふれる素敵な登山道。
体調が万全だったら楽しめたのに。
途中からは、5分くらい歩く度に休憩しないと進めない状態でした。
ただでさえ時間をロス・のんびり写真撮影もしていたせいで時間がおしているのに、こんなペースで歩いていたら、下山が日没近くになってしまいそう。
途中で「黒百合ヒュッテ」に急遽立ち寄って宿泊することも考えたのですが、まだ行けるはずだとスルーしました。
最終的に無事下山できたからよかったけど、ここで黒百合ヒュッテに泊まるのが、本来は正解だったと思います。
中山展望台に到着。
人とほとんど遭遇しなかったことも、不安に拍車をかけます。
こんなに深い森の中で、体調悪いのに一人きり...。
風は少し強いけど、景色抜群。
本当はのんびりしたかったけど、すでに13:30をまわっていたので、すぐに出発です。
この後は、ひたすら休憩しながら歩いて高見石小屋に到着。
全然人と会わなかったので、女性グループが1組いて、すごく嬉しかったのを覚えています。
時間が遅かったために小屋は閉まっていました。
高見石小屋で揚げパン食べたくて頑張ったのに、そんなのってないじゃん..。
表にお手洗いがあったのでお借りして、すぐに出発しました。
ここまで来たら安心だろうと思ってたけど、あたりが薄暗くなり始めたために急いで下山してたら、2度転びました。
初心者でもOKのはずのコースで、何という満身創痍。
駐車場に戻った時は、「楽しかった~」とか「疲れた~」とかではなく、「遭難しなかった。よかった。」という安堵しかありませんでした。
まとめ/初のテント泊&八ヶ岳を終えた感想・今後の課題
初めてのテント泊&登山で青苔荘とニュウをオススメするつもりだったのですが、全然楽しんでなさそうなレポートになってしまいました。
私は疲労で本当に遭難するかと思いましたが、体調がよければ、ゆる登山者でも十分楽しめるコースです。
今回のテント泊登山デビューを終えての感想と教訓
- 青苔荘とニュウは、体力にちょっと自信がない・道迷いしやすい人でも、テント泊デビューしやすい組み合わせ
- 忘れ物(ペグ)・壊れていたもの(ガスストーブの着火装置)があったので、事前準備はチェックリストを作成してぬかりなく。
- テント泊デビューは、疲労や不測の事態に備えて、ゆる過ぎでは?くらいのプランがよい
- 下山時間が遅くなると人けがなくなる可能性があるため、ソロの場合、何かあった時に危険。
⇒14時までには下山できるように計画するべき。 - 疲労は、どれだけ行動食を食べても回復しない。
体調管理が不十分だったために、登山の危険性を思い知った旅となりました。
ソロで登山をするなら、体力・緊急時の準備・保険加入はしっかりしないとな、と再認識です。
いざという時の備えに必要な「山岳保険」についてまとめた記事もあります。
1日単位のスポット保険もあるので、ぜひチェックしてみてください。
テント泊登山のために購入したモンベルのザック「アルパインパック50」がよかったのでレビューした記事もあります。
こちらもよかったらご覧くださいね。
それでは、よいリフレッシュを!
※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。