ーー 今年は富士山や日本アルプス、テント泊にも挑戦したい。ーー
普段日帰りの低山をメインに登山をしているけど、ちょっとステップアップしたいと思ったとき、より頑丈な登山靴が必要になります。
筆者も同様に、軽登山向けのトレッキングシューズの他に、テント泊の荷物でもOKな靴を探していました。
そこで、石井スポーツさんで見つけて購入した「AKUの靴」についてレビューします。
この記事でわかること
- AKUコネロ3という登山靴はどのような靴か
- 実際に履いて山へ行った感想
- 足が痛くならない靴を選ぶコツ
この記事を書いている私は、 日帰り低山のゆる登山派ですが6年ほど経験あり。今年こそお泊り登山に挑戦しようと計画中。
結論:AKUコネロ3を購入して基本的に満足
最初に結論から申し上げますと、少し改善したい部分があるものの満足しています。
まだ低山2回しか歩いていませんが、つま先やくるぶしなどは全く痛くなりません。
特に前回買った靴は、初めのうちはくるぶしが痛すぎて半泣きで下山していたので、新品なのに痛くないというのは本当にありがたいです。
ただ今まではとても軽い靴だったのもあり、重さを感じますね。
また、ソールが硬い靴が初めてなので、地面や岩をグリップできなくてちょっと怖いです。
地面の感触がないんですよね。
あとしいて言えば、黒っぽい靴なので汚れが目立つのがちょっと気になります。
細かいレビューは、後ほどお伝えしますね。
AKUとはこんなメーカーです
石井スポーツさんに行く前は、筆者はAKUというメーカーを知りませんでした。
そこで、少しメーカーについてご紹介します。
イタリアのトレッキングシューズ・登山靴メーカー
職人さんが1つ1つ丁寧に仕上げている、イタリアのブランドです。
作られたプロトタイプを実際に山や渓谷などで履き、テストを重ねたうえで販売されています。
石井スポーツが日本の正規取引店
日本では石井スポーツが正規取引店となっており、長年に渡りパートナーシップを続けています。
AKUの靴を履いていたら、石井スポーツで買ったんだなと分かりますね
AKU「コネロ3」とは
AKUはハイキング向けから本格的な雪山用まで、幅広いラインナップが揃っています。
その中で筆者が選んだ「コネロ3」という靴が、どのようなタイプのものか見ていきましょう。
低山から無雪期の3000mまでオールラウンド
日帰りのハイキングや軽登山もいけるし、3,000m級(無雪期)でもいけるというオールラウンドな靴。
普段はほとんど低山で、夏に数回アルプスや八ヶ岳などに行きたいという方にはピッタリではないでしょうか。
雪山以外年間を通して履くことができますね。
足首・アッパー部分が軽くしなやか
足首まわりのフィット感が良く、しなやか。
アッパー素材に軽量なものを使用しており、とても歩きやすい定番の人気モデルです。
安定性に優れたソール
AKU独自のIMS構造を採用した、安定感のある硬いソール。
タテ・ヨコのスリップを防ぐ設計で、衝撃吸収性や安定性に優れています。
ユニセックス(男女共用)
メンズ、ウィメンズと別れておらず、男女共用のモデル。
スタッフさんに伺ったところ、男女用でもともとそこまで足の形状が変わらないので問題ないとのこと。
ただ私の場合履いてみて少しかかとが動くので、やはり男女差は少しはあるのではないかとちょっと疑ってみたり。
購入の経緯
コネロを買う前は、サロモンの1万7千円のトレッキングシューズを履いていました。
5年ほど経ち、だいぶヨレってきたのもあり、せっかくなのでもうワンランク上の靴が欲しくなりました。
テント泊でも履ける安定感のある靴が欲しくなった
今年の目標であるテント泊登山をするには、ある程度ソールが硬くてしっかりした靴が必要。
色々とネットで情報を集めた結果、ライトアルパインやバックパッキングという種類の靴が目的に合っていることが分かりました。
本命はLOWA(ローバー)だった
YouTubeでバックカントリー穂高さんというお店の動画を見て、ライトアルパインよりバックパッキングブーツが筆者には合っていると確信。
ネットで2足発送して試し履きするサービスもあるようですが、やっぱりできたらお店で相談しながら選びたい。
直接お店に行きたいですが、ちょっと遠い...。
諦めて他の靴を見ようと石井スポーツさんに行ったら、何とローバーの靴を取り扱っていたので、テンション上がりました。
本命の「タホー プロ2」を試そうと思ったのですが、生憎ちょうど良いサイズの在庫を切らしているとのこと。
縁がありませんでした...。
ただ他の靴を試して思ったのが、そもそもタホー プロ2は私には合わないだろうということ。
私は少しだけ幅狭の足なので、幅広のタホーは恐らく無理かなと推測します。
予算は4万円台。できたら3万円台に抑えたかった
「タホー プロ2」だったら4万円台後半のお値段なので、そこまでは覚悟していました。
5年くらいは使うだろうから、1万円ケチって諦めるのもアレかなと。
でもタホーじゃなかったら、正直のところ3万円台に抑えたいというのが本音でした。
勧められた靴はしっくりこなかった
足裏のアーチをお店で測っていただいた結果、少しハイアーチで外側に体重がかかり気味とのこと。
なので、ソールの形状が外側からのサポートが強い商品を勧めてくれました。
確かスポルティバやスカルパ、ローバーのライトアルパインブーツだったと思います。
履いてみたけど、靴先が細目でソールもカッチカチでとても硬く、平坦な地面には向かないことが良くわかりました。
テント泊と言っても割とゆる目の行程を考えていて、あまり岩稜帯を歩く予定もないので却下です。
外側のサポートは、ハイアーチ向けのインソールでまかなおうかなと思います。
できたら低山でもOKだと嬉しい
雪山は行く予定がないので、「コバ」というアイゼンを装着する機能は不要です。
一番よく行く登山は1,000m前後の軽登山なので、高い買い物だし色々兼用できる靴ができたら欲しいと考えていました。
そこで出会ったAKUコネロ3。
低山から無雪期の3,000m級のテント泊までいけるオールラウンダー。
これですよ、これ。私が求めているのは。
しかもお値段も3万円台と予算内です。
履き心地が良かった
実際試し履きをしてみた5足くらいの中で、一番ソフトな履き心地でした。
ふんわりと包まれていて、くるぶしから足首にかけても痛くなりそうな気がしません。
そして、店内に設置してある坂道を登り下りしてみました。
一番気になるつま先も当たらないし、前の方にズレていく気配もありません。
少し気になるのは、かかとが少しだけ私には大きいかなというところ。
でも、試し履きした中で一番しっくりきました。
形状も先が丸くて歩きやすいし、ソールもしっかり硬いけど硬過ぎず良い感じです。
ライトアルパインと言うより、バックパッキングに分類されるのではないかと思います。
ソールの張り替えができるのもGood
靴によってはソールの張り替えができないものもありますが、コネロ3は可能です。
ソールの接着面が複雑なものはできないらしいですが、コネロはシンプルですからね。
ただ張り替えもそこそこのお値段ぽいので、履きつぶしている状態なら新調する方が良かったりするかも。
クラシカルな見た目も好きだった
他のメーカーの靴は結構スポーティーでお洒落なものが多いけど、私はクラシカルなデザインの靴が好みです。
バイクで言ったら、ドカティよりトライアンフが好きみたいな。
なので、AKUの渋い見た目はかなり好みです。
実際に履いてみた感想 ⇒ 基本的に良いが要改善点あり
店舗では良いと感じても、長時間歩くと思わぬ所にトラブルが出る可能性があります。
コネロ3はこんな感じでした。
つま先は痛くないが、かかとが少し動く
足の中央部分のホールドがしっかりできているので、指先にゆとりがあり痛くなりません。
初日はホールド感を上げるために靴紐を気合い入れて締めすぎて、足の甲が少し痛くなってしまいました。
2回目以降は締め方を気を付けた結果、甲が痛くならない状態できちんとホールドもできています。
問題は、やはり靴のかかと部分で少し浮き沈みが気になります。
一応許容範囲かなと思って買ったのですが、実際山で履いてわずかですが擦れている感が...。
上下左右の安定感も少し落ちるのではないかと、やや不安があります。
純正インソールのクッション性は低め
前回の靴はソルボのインソールを入れていたのですが、試しにコネロに標準装備されている中敷きで歩いてみました。
その結果、クッション性が低すぎて足の裏がとても疲れ、腰も痛くなりました。
改めてインソールの重要性を再認識です。
2回目の山歩きでは、インソールを入れ替えたら腰痛も緩和されて快適に。
ソールが硬い靴に慣れてなく岩歩きが疲れる
今までの靴のソールは柔らかく、地面の形状に合わせてグリップしていました。
ソールが硬い靴が初めてで、ちょっとした岩の上に乗ると、靴が真っすぐの状態で乗っているのがちょっと怖く感じました。
柔らかい靴底で掴んでいる感じがないため、バランス取りが必要な気がします。
本来低山より岩場を歩くための硬いソールなんでしょうから、これは私の慣れの問題ですね。
新品の靴は滑らない
靴を買い替える前、この3か月ほどよく後ろに滑って転びそうになりました。
と言うかコケていました。
新しい靴では全く転びそうにならないので、ソールの減りや劣化によるグリップ力の低下のせいだったのかなと思います。
やはりある程度のところで靴を新調するか、ソールの張り替えをすることは、安全上必要だなと実感。
不満点をインソールで改善
疲れと腰痛のもとになるクッション性不足は、今まで使用していたインソールに入れ替えることで改善。
ほぼ満足しているコネロ3ですが、他にもちょっと気になる点が残されています。
かかとの動きがもう少し固定されればベター
ソルボのインソールに入れ替えたことにより、かかとも少しだけ安定した感があります。
でもまだ少し動くので、かかとのホールド感UPの機能があるインソールが欲しいところです。
ハイアーチ用・外側サポートのものが欲しい
店員さんにも指摘された、ハイアーチで外側にグキッとなるトラブル。
実際トレラン中に一度、外側にグキッとなって捻挫した経験があります。
こちらの問題も、外側のサポート機能のあるインソールが売られているので、ぜひ試してみたいです。
調べたところ、以下の2つが良さそう。
インソールに4~5千円かけるのって正直勇気いるけど、これでトラブルなしになるなら損はないですよね。
複数履き比べて分かった「痛くならない登山靴」の選び方
登山靴のトラブルでよく耳にするのは、下山時につま先が痛くなるという問題。
高い買い物でそれだけは避けたいところです。
今回ネットで情報を集め、店員さんに相談し、実際5足ほど履き比べて「痛くならない靴」を選ぶコツが見えてきました。
靴メーカーや登山道具店の店員でもない素人の意見ですが、経験からの考察です。
よろしかったら参考にしていただけると幸いです^^
足のサイズ・アーチの形状を測ってもらう
登山用品店では、足裏の形状やサイズを測ってもらえるので、ぜひ店員さんにお願いしましょう。
今回石井スポーツさんでは、甲の高さは測っていただけませんでしたが、以前ランニングシューズを買う時にMIZUNOさんでは測ってもらえました。
可能でしたら一度MIZUNOさんに行くのもおすすめです。
自分が履く予定の登山ソックスを持って行く
私は足汗がすごいので、必ず5本指ソックスを履くため持参しました。
お店で貸してくれるとこもありますが、実際に自分が履くもので靴を試すと安心です。
また、お店に行く時間帯でも足の状態が変わる点も注意が必要。
朝イチは足がむくんでいませんが、夕方行くと1cm近くむくんだりすることもあるので、その点も考慮した方がよいです。
つま先まで詰めて履いて指1本チェック
これは良く聞くチェック方法ですね。
これはちょっと古臭い確認方法だと言う意見もありますが、石井スポーツさんではこの方法でした。
ザックリですが、ちょっと余裕があるという参考程度にはなりますね。
かかとまで詰めて履いて靴紐をしっかり締める
実際に履く時は、逆にかかと側にトントンして詰めて履きます。
足の真ん中の細目の部分をしっかりホールドできるように、靴紐を締めましょう。
この時点で足の真ん中のホールド感がなく、靴の中で足が前へ自由に動いてしまう靴は合っていないと思います。
合っているイメージはこんな感じ。
店舗での試し履き「坂道体験ゾーン」でチェック
平坦な場所での歩き心地を試したら、坂道を体験できる場所でも試しましょう。
もしこの設備がない場合、私ならその店で買うことを諦めます。
登りのチェック
かかとの擦れの確認。
かかとが上下に浮き沈みしてよく動く場合、かかとの靴擦れで痛くなる可能性ありです。
下りのチェック
つま先が痛くなるかの確認。
足の真ん中の細い部分でしっかりホールドされていれば、前方へずり落ちて足先が靴に当たったりしません。
指先のスペースが確保されているかチェックしましょう。
複数の靴を試す
何と言っても、最後はやはり「なるべく沢山の靴を履いてみる」のがおすすめです。
お店により扱っている商品も違えば、店員さんの知識も違います。
何足か履いてみると、これでOKかな?と思った靴の後に、もっとしっくりくる物が見つかったりします。
候補だなと思ったら、写メ撮っときましょう!
まとめ/登山靴はなるべくたくさん履いて妥協せず慎重に選ぼう
靴は、登山道具の中でもトップクラスで失敗したくない買い物です。
店員さんに申し訳ないと思いながら、長時間かけて選んだ「AKUコネロ3」。
良い靴に出会えて登山が益々楽しくなっています。
最後に、本記事の内容をまとめます。
- AKUコネロ3は低山もテント泊もしたい人におすすめの選択肢
- 安定感の悪い部分やクッション性はインソールでサポート
- 足の形状やサイズは必ず測ってもらう
- 坂道をテストできるゾーンを併設している店舗で靴選びをするとベター
- かかとのサイズが合っているか、下りでつま先が靴に付かないかは重要
筆者の足はあまりクセのない形状なので、上記のようなポイントが重要になりますが、癖のある形状だとまたチェックポイントが違ってくる可能性があります。
どちらの場合でも、実際に店舗で何足も履き比べることが大切ですね。
それでは、良いリフレッシュを!